あと5分。

まっすぐに生きたいと思っているだけ。

なんでもない近況。

 

「お前もう5年も彼氏いねーの?きっちーな」

 

と最近彼女できた20歳の男子に言われ「コ○スぞ」としか返せない私24歳。

 

この男子というのはバイト先の専門学生で、私がバイトを辞めたにも関わらず、バイト終わりに気分でうちに来て一緒にテレビを見るという、空気のような友達だ。

 

「俺がこの前男紹介してあげるって言ったじゃん!」と上から目線で豪語してくる。

 

ありがたいよ、大変ありがたい。

でもきみの友達ってところが不安なんだよ。

しかも最近彼女ができた奴ってところが気に入らない。ずっとフリーダムな友達だと思っていたのに。

 

そんなわけで素直に聞き入れられず、つい

「私別に、今いい人いるし」

と強がってしまった。

 

でも

「お前またー!?」

とただ笑われただけだった。

 

確かにこの前の勃たない京都のヒモ男がうちに来たのは、たった数ヶ月前のことだったような。もう随分昔のことのように感じられる。あれは犬に噛まれたとでも思って忘れよう。私は今の話をしたいんだから。

 

写真を見せろとせがむ彼に、この間のタイ旅行の大量の写真を1枚1枚見せる。

 

「えー これ?

なんかなあ、なんか、似合わないよ」

 

と言って集合写真の私と彼以外の顔を指で隠してまじまじと見る。

 

似合わないとか、そういう問題なのか。

ちょっとムッとしたけど、実は少しホッとした。私の浮かれきった心をどうにか叩き潰して欲しかった。人の楽しい気持ちを押しつぶすプロフェッショナルといっても過言ではないこいつに写真を見せたのは正解だったと思う。

 

考えれば考えるほど、彼にとって私がどんな存在なのか分からない。

 

日曜は彼の誕生日で、ごはんに誘われたけれど、友達だからと言われればごはんに一緒に行くのも当たり前のことのように思う。

 

だから変に期待して引かれるんじゃないかと思うと怖すぎて、

 

この20歳男子が

「似合わないって」

「やめとけ」

と遠慮なく投げてくる言葉の槍を受け止めているだけで少し心が落ち着くほどだ。

 

これもこいつの優しさなのかもな、と思いながらやっぱり「コ○スぞ」と返事をする。

 

でも明後日彼とごはんに行くのは決定事項なので、とりあえず明々後日提出の課題を死ぬ気でやらなければならない。

 

はあ、しんどい。